国税OB税理士が話す酒のツマミになるかもしれない税金の話
ピラミッドで未知の空間発見!
【カイロ=共同】エジプト観光・考古省は2日、首都カイロ近郊のギザにあるクフ王のピラミッド内部で通路のような形の空間が見つかったと発表した。多くの謎が残るピラミッドの構造解明につながると期待されている。イーサ観光・考古相は記者会見で「重要な科学プロジェクトの結果だ」と述べ、発見の意義を強調した。
見つかった空間は奥行き約9メートル、幅約2メートル。2015年に名古屋大学の研究者やエジプト、フランスなどの専門家が参加する国際チームが調査を始め、今回スコープを用いて空間内を撮影し、存在を実証した。
クフ王のピラミッド(2015年8月、カイロ近郊ギザ)=共同
どこを掘っても出てくる可能性
ピラミッドというのはロマンが詰まっているような貴重な建造物だと思うのですが。
皆さんいかがでしょうか。クフ王の墓と言われながらそのクフ王自体まだ発見されていいないらしいですね。私が生きている間に発見されるといいなと思います。
話は変わって現実的なことについて書いてみます。
埋蔵文化財という言葉をきいたことがあるでしょうか?個人住宅や会社の建物等を建てる時に事前に発掘調査が行われるのですが、この時に発見されるかもしれない、いわゆる遺跡のことです。
埋蔵文化財とは 埋蔵文化財とは,土地に埋蔵されている文化財(主に遺跡といわれている場所)のことです。埋蔵文化財の存在が知られている土地(周知の埋蔵文化財包蔵地)は全国で約46万カ所あり,毎年9千件程度の発掘調査が行われています。 埋蔵文化財と文化財保護法 文化財保護法では,周知の埋蔵文化財包蔵地において土木工事などの開発事業を行う場合には,都道府県・政令指定都市等の教育委員会に事前の届出等(文化財保護法93・94条)を,また新たに遺跡を発見した場合にも届出等を行うよう求めています(同法96・97条)。出土した遺物(出土品)は所有者が明らかな場合を除き,発見者が所管の警察署長へ提出することになっています(同法100条)。 土木工事等の開発事業の届出等があった場合,都道府県・政令指定都市等の教育委員会はその取り扱い方法を決めます。そして協議の結果,やむをえず遺跡を現状のまま保存できない場合には事前に発掘調査を行って遺跡の記録を残し(記録保存),その経費については開発事業者に協力を求めています(事業者負担)。 ただし,個人が営利目的ではなく行う住宅建設等,事業者に調査経費の負担を求めることが適当でないと考えられる場合には,国庫補助等,公費により実施される制度があります。 ※文化庁HPより |
現在、知られているだけでも約46万箇所あるということです。日本の国土は狭いので、どこ掘ってもあらたな埋蔵文化財の発見につながるかもしれません。
この時の費用については、例えば個人住宅を建てる場合には公費により負担されるとのことで、そのほか法人が自身の工場用地の造成のために発生した費用については経費(損金)にすることができます。
(埋蔵文化財の発掘費用) 7-3-11の4 法人が工場用地等の造成に伴い埋蔵文化財の発掘調査等をするために要した費用の額は、土地の取得価額に算入しないで、その支出をした日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。ただし、文化財の埋蔵されている土地をその事情を考慮して通常の価額より低い価額で取得したと認められる場合における当該発掘調査等のために要した費用の額については、この限りでない。(昭55年直法2-8「二十一」により追加) ※国税庁HPより |
困るのはこんな時
埋蔵物が発見された場合には、当然ながら建設工事はストップすることになります。
・マイホームを年内に建てる予定が年を越してしまった・・・。
この場合、「住宅取得控除」を申請する申告ができなくなります。
・何か月たっても発掘調査が終わらない・・・。
原則として、発掘調査は開発者負担となっていて、法人の経費になるとはいうものの、
限度はありますね。
そして、なにより発掘調査で遺物が出土した際には、まず重要文化財であるかどうかの判定を都道府県教育員会が行うことになっていて、埋蔵文化財であるとされた場合は遺失物としての取り扱いではなく国等が優先して所有することになっているようです。
まさに踏んだり蹴ったり・・・。
これなら、埋蔵物が発見されないほうがいいと思っているも少なくないのでは・・・。
埋蔵文化財でなくても税金がかかる
掘り起こした地面の中から出てきたのが埋蔵文化財でなかった場合には遺失物になりますが、これ価値のあるものだと税金の対象になります。
例えばお金が出てきたらまず警察へ届けましょう。持ち主が現れず一定期間過ぎたら、
あなたのものになりますが、「一時所得」という税金の対象になりますので注意。
前回、「一時所得」というものを競馬の馬券で紹介しましたが、国にとっては税金を集める都合のよい所得のようです。
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。 一時所得には、次のようなものがあります。 (1)懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。) (2)競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。) (3)生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等 (4)法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。) (5)遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等 ☜これ! (6)資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの ※国税庁HPより |
おしまい
クフ王の時代にもお酒ってあったの?という私の素朴な疑問に早稲田大学名誉教授のエジプト考古学者吉村作治先生が、「ピラミッドのために何万人も奴隷が働かされた、は大ウソ。庶民が建造に参加したのは、ビールが飲めるからだ」という面白い記事を出されています。※KIRINHPより
そうか、酒を飲むために働く。まさに私自身ではないか!
そうだ、これを生きがいにしてよいのだ!
※文章中の日本語の誤用等がございましたら、誠に申し訳ありません。
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